小学校低学年頃からなんとなく自分は「手のひらの汗が多いなぁ」と気付きながらもただ「なんとかしたい」という感情と「でも体質だからしょうがない」と思いながら過ごしてきた30年以上の年月。

お医者様に相談しても特に「体が悪いわけではない」とか「なんだろうね?」という程度で解決の糸口すら見出せなかった私に転機が訪れました。

 

偶然の出会い

私がとあるビジネスセミナーに出席していた時のことです。

たまたま自分のノートブックパソコンを持ち込んで講義の内容をPCでまとめながら作業していました。

ビジネスセミナーという緊張感のある場でのパソコンの器用な操作が要求される場では多量の汗が噴き出して、私のノートパソコンのキーボードはベトベトで手を置く部分には手のあとがハッキリ解るほどの水滴がベットリ。

不幸(?)にも私は最前列、しかも講師の方の目の前でした。

セミナーが中盤に差し掛かって、人の悩みについて講師が語りだした時、偶然か必然か分かりませんが、何とその講師は多汗症のことを喋り出したんです。

まさかビジネスセミナーというオフィシャルな場で私は多汗症について聞くことになったんです。

正直、そのセミナー会場では自分の誰にも言えない様な悩みが公然と語られだしたので非常に恥ずかしく、精神的にもかなりの緊張を感じたのでそれこそ汗が滝のように溢れだしました。

セミナーの講師の話では、軽くさらっと触れられただけの話題でしたが、その後の私の頭の中身はもう何も入ってこないくらいに真っ白になったのを今でも覚えています。

しばらくして大分気分が落ち着いてくると今度は「私だけが特別におかしいのではなく、他にも同じような症状で苦しんでいる人がいる」ということや「原因不明で病気なのか体質なのか?全く解らなかった自分の手のひらの大量の汗にはちゃんと病名があるんだ」ということに気付きました。

そして病気である以上、何がしかの原因や情報がもっと手に入るのではないだろうか?と感じました。

なにか自分の目の前にわずかながら光が射し込んで来たような気さえしたのを覚えています。

 

力強い握手

ビジネスセミナーが終了し、帰り際にセミナー講師の方にセミナーの内容に関しての感想を述べて帰ろうとした時、他の参加者の方とはそのまま挨拶をして終わりでしたがその方は私にだけ握手を求めてきました。

緊迫した会場にずっといましたから当然、私の手のひらは湿っているというレベルではなく、もう雫が滴り落ちるくらいの大量の汗をかいていましたから、もの凄く萎縮してしまいました。

ですが、まっすぐに私の目を見ながら差し伸べられた手を握り返さないわけにはいかないと思い即座に持っていたハンカチでごしごしと手いてから拭き握手をしました。

もちろん、凄い量の汗をかいていましたからハンカチで拭っても大して変わらないほどの湿った手で握手することになってしまったのですが、そのセミナー講師の方は手を差し伸べて下さった時と変わらぬまっすぐな目で私を見つめながら力強く握手をして下さいました。

手が離れた瞬間に、私は恥ずかしさで一杯で逃げるように会場を後にしたのですが、手に感じた力強い握手の感触は家に帰るまでの電車の中ではもちろん自宅についてしばらくしてもずっと消えずに残っていました。

 

今思えば・・・

ビジネスセミナーでの「多汗症」についての話題や、講師の方から私にだけ差し出された握手はひょっとしたら単なる私の思い込みや単なる偶然かもしれません。

その日出会ったセミナー講師の方が、本当にたまたま「多汗症」という病気を知っていて(病気とは全然関係のないビジネスセミナーだったにも関わらず)話題にしただけなのかもしれません。

ですが、私にはセミナー講師の方が私のことを見て「ひょっとしたら多汗症なんじゃないか?」と気付いて、応援してくれる意味で、わざわざ握手を求めてきてくれたように思えてなりません。

このセミナーでの偶然の出会いがきっかけで、私は「多汗症」についていろいろと調べて「何とかしてみよう!」という気持ちや「ひょっとしたら治せるかもしれない」という希望を持てるようになれました。